分 類 | バッタ目 |
科 名 | マツムシ科 |
体 長 | 16〜19mm |
時 期 | 8〜10月 |
分 布 | 北海道〜九州 |
場 所 | やや湿った草地 |
鳴き声 | リーン、リーン |
スズムシは「バッタ目マツムシ科」に属する昆虫で、秋の夜に美しい音色を奏でる「鳴く虫」の代表種です。「鈴虫」の名の通り「リーン、リーン」という澄んだ鳴き声が名前の由来になっています。夜行性の上、林縁の草むらの地表にいるため、見つけるのは容易ではありません。草がよく茂り、やや湿った場所を好みます。
全身が黒く、白く長い触覚を常に動かしています。オスとメスでは翅(はね)の形が異なり、オスは大きな翅を垂直に立てて鳴きます。ライバルやメスを誘う際には「リーン、リーン」と響かせますが、一匹だけの時は「リンリンリン」とやや物寂しげに鳴くこともあります。通常は夜に鳴きますが、涼しい日には日中にもよく鳴いています。
去年、空き地でペットボトルトラップを仕掛けてみたけど、ダメだったね。
スズムシは住宅地にはいなくて、林にいるみたいだよ。
オスとメスの違い
スズムシはオスとメスで翅の形が異なっているため、よく見るとその違いに気付きます。オスは普段は大きな翅を重ねていますが、メスは短めの翅が左右に付いています。
スズムシは幼虫のうちは翅が4枚ありますが、成虫になると後翅は抜け落ちてしまい、大きい前翅2枚だけになります。翅はありますが、飛ぶことはできません。

鳴くと言っても声を出して鳴くのではなく、翅をこすり合わせて鳴きます。コオロギの仲間は前翅を重ねた時、右側が上になります。また、翅は必ず左右非対称になっています。
この右側の翅脈(しみゃく)の裏側にはヤスリのようなギザギザがあり、このヤスリを左の前翅のフチの固い部分でこすって音を出します(ヤスリ器と器とコスリ呼ばれます)。

翅を立てた前からの姿は図鑑などでよく見ますが、あまり見たことがない腹部のあたりもうまく撮れました。

一方、こちらはメスです。翅が小さいのと、長く伸びた産卵管が特徴です。産卵間近なため、お腹もパンパンです。この産卵管を使って土に卵を産みます。スズムシは体に対して頭部が非常に小さいですね。


スズムシの飼い方
スズムシは以前、一度だけ野生の個体を捕まえたことがあるのですが、メスだったので鳴き声を聞くことはできませんでした。また、野生の個体を捕獲するのは難しそうだったので、今年はホームセンターで卵の状態で売られている飼育セットを購入しました。

こちらがスズムシの卵です。付属のカップに土を入れ、卵同士が重ならないようにパラパラとまきます。霧吹き用の水はミネラルウォーターのみで、水道水は絶対に使用しないようにと注意書きがありました。

セットした時期は5月の後半で、その後土が乾かないように毎日霧吹きをし、ふ化した幼虫が確認できたのは7月上旬です。気温が24〜25℃の時期(5〜6月)にふ化するようです。

幼虫は止まり木を使って脱皮を繰り返し、5〜6回目の脱皮で成虫になります。幼虫は15匹ほど確認できましたが、最終的に成虫になるまで生きていたのは4匹程度です。
本を読むと、ひとつの飼育ケースでたくさんのスズムシを飼うと、共食いしてしまうため、3〜4匹程度で飼うのが適当だと書いてありました。日持ちのするナスをメインに与えていましたが、動物性の餌として煮干しや鰹節も早めにあげればよかったかもしれません。

残念ながら成虫になる瞬間は見ることができませんでしたが、夏の終わりに羽化して成虫になり、11月上旬まで美しい鳴き声を聞かせてくれました。
図鑑には寿命が3ヵ月ぐらいって書いてあったけど、長生きしたね。
無事に産卵したようでよかった。来年もふ化するといいね。
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